第5章 山どうぐを選ぼう!〜自分に合った装備の選び方・ウェア・小物編〜
ウェアの選び方
*鷲尾…さあ、次はウェア選びですね。
*齋藤…わーい、かわいい服がいっぱい♪好きなの選んで良いよね?
*鷲尾…まあ、こういう登山用品店に置いてあるのなら、まず大丈夫ですかね。モノによっては一般の衣料品店やデパートで買う場合もあるでしょうから、ちょっとだけアドバイス。キーワードは「吸水性(吸汗性)」「速乾性」ついでに「伸縮性」の3つです。
*齋藤…また、難しい単語を出してきたね。
*鷲尾…わかりやすく言うと「綿(=コットン)」は絶対ダメ。
*齋藤…えっ!普段着てる服ってだいたい綿だと思うんだけど。
*鷲尾…なぜダメかというと…綿だろうがウールだろうがポリエステルだろうが、おおよそ繊維というものは吸水性はあるので、かいた汗を吸い取ってくれることに変わりはありません。ところが綿というのは、速乾性がないんですよ。曇った日に洗濯物を干すと、トレーナーとかジーパンとか厚手の綿製品って、最後まで生乾きでしょう?つまりかいた汗を吸いとってくれるところまではいいけれど、濡れたままの衣服が身体にまとわりついた状態がずっと続く。山で身体が濡れた状態がどれだけ危険かって話は、さっき雨具の時にしましたよね?山の衣類、特に身体に直接触れる肌着類は、綿を避けて吸い取った水分をすぐ乾く、速乾性がある素材を選んでください。
最後のキーワードの伸縮性は、とくにズボンとかに必要ですね。登山では大きな段差を越えたりするので、ひざの曲げ伸ばしが多いんです。その時に伸縮性のない素材だと、脚に負担がかかったり、そもそも動きにくいこともあるんです。登山のズボンのチョイスで最悪なのがジーパンとかチノパンなんですけれど、これは綿製なのでもちろん濡れたらなかなか乾かないし、伸縮性もないから膝の曲げ伸ばしもしにくいからなんです。
*齋藤…速乾性がある素材って、どんなもの?
*鷲尾…一般的には、ナイロンとかポリエステルとか、カタカナ文字で書いてある化学繊維ですね。逆に言うと、この速乾性があることを満たしていれば、登山用品店で高い製品を買わなくても良い場合もあります。むしろ、最近はアウトドアブランドを街で着る人が多いので、デパートとかのアウトドアブランドのお店だと、登山用と同じロゴ・デザインなのに実は綿70%でポリエステル30%なんていう混紡のシャツもありますから、そういうのは登山用に買っちゃダメです。
*齋藤…なるほど。タグをよく見ないとダメだね。
*鷲尾…最近は速乾性どころかまったく水を含まず、外側のウェアに水分を逃がしてくれる肌着なんていうすごいの(写真25)もありますけど、あれは快適ですね。

*齋藤…すごーい!それで、何を買えばいいかな?
*鷲尾…そうですね、まず下半身は…。女性の場合は山スカート、男性でもハーフパンツとかにタイツ(もしくはサポートタイツ)っていう組み合せも流行ってますが、脚を大きく開く場面が多い急坂や岩場で行動する時や、転んだ時の怪我を考えると、最初は長ズボンが無難な気もします。
上半身は…。下着もしくは肌着(Tシャツなど・女性の場合は腕の日焼けに備えて長袖のカットソーを選ぶ人も多い)を「ベースレイヤー」と呼んでいて、さっきの速乾性を重視した素材を着る。さっきの動画の場合みたいに、そもそもまったく汗を含まない素材をさらに内側に着るのもありですね。その上に襟付きの長袖シャツや寒い場合はフリースやダウンなど、身体を保温するための「ミドルレイヤー」を羽織る。さらに風雨が強い時に雨具などの「アウターレイヤー」を着る。そういう順番で、薄手の素材を何枚も重ねて、暑さ・寒さに応じて脱いだり着たりをこまめに調整してあげることが必要です。これまた難しい言葉を使うんですが、これらの行為をレイヤリング(写真26)という言葉で呼んでいます。

*齋藤…めんどくさーい!
*鷲尾…聞いてるだけだとそう思いますが、寒くなったら着る、暑くなったら(汗をかく前に)脱ぐっていう行為を繰り返しているだけなんです。つまり、身体が常に快適な状態を保っているだけ。さっき、肌着は特に速乾性を重視って言いましたが、レイヤリングをこまめに工夫してやることで、そもそも汗をなるべくかかない様にするってことが、究極のレイヤリングですね。
*齋藤…めんどくさがらずに、脱いだり着たりしろってことだね。
*鷲尾…そうですね。だから、頭から被らないと着れないトレーナー型のモノより、フロントジップの付いているパーカー型の上着の方が良いし、身体の熱がこもってしまうタートルネックより、フロントのボタンを外したりジッパーを開けたりすることで熱気が放出できるタイプの上着の方がおすすめです。そこらへんさえ押さえておいてくれれば、とにかく気に入ったコーディネイトで良いですよ!
*齋藤…やったー!じゃあ、ちょっと選んでくるね!
その他のグッズ
*齋藤…(ウェア売り場で約1時間を過ごした後に)ただいま!あっちの売り場のお姉さんと仲良くなっちゃて、全部コーディネイトしてもらっちゃった!
*鷲尾…(完全に待ちくたびれた)お、おかえりなさい…。気に入ったウェアが揃って良かったですね。
*齋藤…あと、何か買っておいた方が良いものってある?
*鷲尾…う~ん、とりあえず最初の低山ハイキングだったら、これくらいで十分じゃないですかね?
*齋藤…ズボンも買ったけど、山スカート(写真27)も買っちゃった!サポートタイツは必要かな?

*鷲尾…最初はサポート機能のあるタイツ(写真28)じゃなくて、普通のタイツで良いと思いますよ。サポートタイツは筋力が落ちていたり、膝に痛みがある人の脚をサポートするために作られているので、そういうお悩みがない人が履くと必要以上に締め付けられたりして、足を攣ったりすることも多いんです。

*齋藤…そういえば、さっきのお姉さんのいた売り場に帽子も売ってたけど、ついでに買っておいた方がいいかな?
*鷲尾…帽子は、もし既に持っていたらそれでも良いですけど、あった方が良いですね。
*齋藤…今持ってるのは、このあいだ神宮球場で買ったスワローズキャップ!
*鷲尾…(新潟出身のヤクルトファン?)うーん、特に春~夏の登山を考えると、できればつばが前にしかついていないキャップ(野球帽)タイプよりは、つばが全面についてるハットタイプがおすすめですかね。帽子の大切な役目として直射日光から頭部を守ることがあるんですが、特にガードしたいのが首の後ろ(うなじ)の部分なんです。ここに体温調整の中枢があるので、うなじが直射日光に当たると熱中症などにかかりやすくなってしまいます。逆に気温が低い冬の時期だと、ガードしたいのは凍傷にかかりやすい末梢部(耳)なので、スキー帽のような耳まで覆えるタイプがおすすめです。あと山は紫外線が強いので、サングラス(写真29)も必要ですね。

*齋藤…体力が心配だから、ストックはあった方がいい?
*鷲尾…これは最初から買う必要はないですよ。ストックは大きく分けるとグリップがT字型のもの(杖のように1本で使用する)と、グリップがI字型のもの(スキーと同じく2本で使用する)があるんですが(写真30)、いずれにしても、体力が落ちて杖の支えがないと登りがしんどい人や、下り坂ですぐ膝が痛くなっちゃう人のための補助として使うものですからね。むしろ、最初からずっと使っていると身体がストックに頼りきりになってしまって、ストックなしで2本足で歩こうとするとうまくバランスが取れないなんて言う本末転倒なことになっちゃう。

*齋藤…他に必要なものはある?
*鷲尾…齋藤さんの登山では十中八九使うことはないと思うけど、持っていてほしいのはヘッドランプとレスキューシート(エマージェンシーシート・サバイバルシートなどとも呼ばれる)ですかね。
*齋藤…(ヘッドランプを見て)懐中電灯じゃダメなの?(レスキューシートを見て)何これ、アルミ箔みたい!
*鷲尾…まずこのヘッドランプ(写真31)、山頂でご来光を見るために真夜中から歩き始める富士登山とかを例外に、普通は登山中は使用しません(※注6)。でも、もし自分や仲間が足を挫いて歩くスピードが極端に遅くなってしまって、下山する前に日没を迎えてしまったらどうします?山の中に街灯はないから、自分が「灯り」をもっていることが唯一の道しるべになるかも知れません。懐中電灯よりヘッドランプがおすすめなのは、さっきの傘と雨具の比較同様、両手が空いた状態をキープできるからなんです。
※注6…山小屋で消灯後にトイレに行ったり、早朝出発の際の荷造りをする際は、使用すると便利です。

*齋藤…アルミ箔は?
*鷲尾…レスキューシート(写真32)は…例えばさっきみたいな状況で、ヘッドランプを使っても麓までたどりつけない場合、近くに山小屋などがなければ、山の中でビバーク(野宿)するしかないですよね。もちろん、ただでさえ寒い山の中で夜ともなれば、気温は非常に低くなる。そんな時に、このレスキューシートを身体に巻きつけておけば、身体が保温されて低体温症にかかるリスクが下がります。

*齋藤…万が一の時のことを考えておけってこと?
*鷲尾…素晴らしい!万が一って事態は、もちろんそう頻繁に起こる訳ではない。けれども、その万が一の状況に陥った時にその備えをしていなかったら、深刻な事態になってしまうのが登山のシビアなところです。例えば晴天の日でも雨具はちゃんとザックに入れておくって行為、これも一見無駄に思えるかもしれませんが、万が一途中で雨に降られてしまって雨具を持っていないために濡れてしまったら、先程の通り生死に関わりかねない。山では「まさか・万が一」の事態が起こってしまうと取り返しのつかない結果になることが多いので、その備えをしておくことが重要なんです。
*齋藤…保険みたいなもの?
*鷲尾…ますます素晴らしい!保険であり、お守りでもあります。特にレスキューシートなんかは、できれば一生使わないで済むに越したことはありません。でも万が一レスキューシートが必要な局面に陥った時に、持っている人と持っていない人では、それこそ生死を分けるボーダーラインになり得ます。最近は登山用品店やメーカーも、自分たちの製品を登山用だけでなく防災用としてPRしているのも、そのあらわれですよね。
*齋藤…ふーん。
*鷲尾…何か、重い話になっちゃいましたかね?とりあえずヘッドランプとレスキューシートはザックの中にしまっておいて、大事にとっておけばいいですから。
それより、靴、ザック、雨具、ウェアのトータルコーディネイトができたことは、今日の大きな収穫ですね!さあ、鏡の前に立ってみて下さい。
*齋藤…ヤバい、私、完全に山ガールになってる♡ ♡
☆第6章へ続く☆
第4章 山どうぐを選ぼう!〜自分に合った装備の選び方・雨具編〜
キーワードは「防水&透湿性」
*鷲尾…さあ、次は雨具を選びましょう。
*齋藤…折り畳み傘じゃダメかしら?
*鷲尾…はい、登山では基本的に傘は差しません。
*齋藤…えー!何で?
*鷲尾…登山道って狭いですよね。すれ違う人や前後で歩いている人に傘がぶつかったり、風にあおられてバランスを崩したりすると危ないですよ。それに、傘を差しているということは片手がふさがった状態なので万が一転びそうになったりした時に、これまた危ない。
*齋藤…ポンチョなら、持ってるけど。
*鷲尾…ポンチョで覆えるのは上半身から膝くらいまでですよね。悪天候の時の山では横なぐりの雨や、時には下から雨が吹き上がってくることさえあります。そんな時にポンチョだと、下半身が濡れてしまうんですよ。
*齋藤…そうか、でも、そもそも運動してる時ってけっこう暑いよね。ちょっとくらい濡れた方が気持ち良くない?懐かしいな、高校の部活で土砂降りの日にみんなでランニングしたの…。
*鷲尾…齋藤さん、何部だった…?まあ、ともかくそれは青春の1ページに大事にしまっておいて下さい。第1章でお話したとおり、山は基本的に寒い。それにすぐにシャワーを浴びたり、着替えたりすることもできない。そんな状況で身体が濡れているってことは、場合によっては生命にかかわります。
*齋藤…そんな、大げさだな!
*鷲尾…まあ、標高も低くて行動時間も短い低山なら、そこまでシビアな事態にはならないかも知れないけど。でも考えてみて下さい、冬の寒い日のお風呂あがりに脱衣場に出ると、ブルブル震えるくらい寒いですよね?でも、バスタオルで身体を拭くと、かなりマシになる。身体の表面が濡れてるか乾いてるかって、それくらい違うんですよ。
*齋藤…うん、お正月に実家に帰った時のお風呂あがり、あれは寒かったな。
*鷲尾…ですよね。その身体が濡れた状態が、ただでさえ気温や体感気温が低い山の中で続くという状況が、どれほどしんどいか。北海道の山や日本アルプスなどの高山では、夏でも低体温症にかかって亡くなるっていう事故が、これまでもたくさんありました。
*齋藤…なるほど。私の青春の1ページは、山では通用しないってことね。
*鷲尾…(やっとわかってもらえたか)はい、なので登山ではこのようにジャケットとズボンに分かれた上下セパレートタイプの雨具(写真23)が必要なんです。

*齋藤…わー!カラフルでかわいい♪(でも値札をみて)うわっ、高い!何でカッパが3万円もするの?上下に分かれた雨具、ホームセンターなら3千円くらいで売ってるよ。色はちょっとダサいけど。
*鷲尾…ですよね。登山用の雨具がなぜ高いかというと、「防水機能」と「透湿機能」の両方を兼ね備えているからなんです。
*齋藤…トウシツキノウ?糖質は控えめにね♪ってこと?
*鷲尾…あなた、ダイエットの必要ないと思いますけど…。じゃなくて透湿!他のスポーツもそうですけど、登山も(特に登りは)身体が熱を発しやすい、つまり汗をかきやすい。そして、汗をかいてしまうと、さっきの身体が濡れた状態になりますよね。これがまずいんです。500円のポンチョでも3千円のホームセンターの雨具でも、ビニールでできているから防水機能はある、つまり外から降ってくる雨は遮断できるんです。でも透湿性がないから、内側はビニールハウスの中にいる状態と同じで蒸れてしまって身体が汗だくになってしまうのです。
*齋藤…高い雨具は、蒸れないってこと?
*鷲尾…はい、ここに「GORE-TEX」っていうタグ(写真24)が付いているでしょう。このGORE-TEX(ゴアテックス)というのは、雨具の内側に貼ってある薄いシートの名前なんですけど、これにはとっても小さな穴が無数にあいていて、この穴の大きさがミソなんです。雨(水滴)と身体から発せられる熱気(水蒸気)を比べると、水滴の直径に対して水蒸気の直径って1700分の1くらいしかないんです。ゴアテックスにあいている穴の大きさは水滴よりは小さく、水蒸気よりは大きい絶妙な大きさになっているんですよ。外側からの雨は防いで、内側からの身体の熱気は逃がしてくれるんです。

*齋藤…なるほど!だから防水機能と透湿機能の両方があるってことなんだね。
*鷲尾…はい、雨の中での登山中に身体を濡らさないために、両方の機能がある雨具が必要なんです。ちなみに、さっきのビブラムの靴底と一緒で、ゴアテックスも色んなメーカーの雨具に採用されています。あとはメーカー独自にゴアテックスと同じような防水透湿機能のある素材(※注5)を開発して、自社の雨具に使用しているところもあります。こういう雨具だと、少しお値段も安め(1~2万円台)で買えますよ。
※注5…ベルグテック(ミズノ)・ストームクルーザー(モンベル)・ディアプレックス(フェニックス)など
*齋藤…ゴアテックスでも3万円と4万円のがあるのは、何か違いがあるの?
*鷲尾…ブランドのロゴ代(笑)。それだけじゃなくて、高い雨具だと立体縫製で身体にフィットしやすかったり、快適に使える機能が付いていたり、それなりの理由もあります。
さらに最近は、「防水機能」「透湿機能」に加えて「伸縮性」も兼ね備えた、より動きやすい素材の雨具も登場しています。
*齋藤…雨の時しか使わないのに、あんまり高いのを買ってもね。
*鷲尾…雨の時以外にも使えますよ。晴れていても風が強い時にウィンドブレーカー代りに使ったり、ゴアテックスのちゃんとした雨具なら初心者向けの簡単な雪山くらいなら対応できます。もちろん、普段の生活で着ても便利ですよ。
*齋藤…へー!じゃあやっぱりかわいいのを選ぼっと♪
*鷲尾…ですね。靴やザックで我慢した分、好きな色とかで選んでもいいと思いますよ。
☆第5章へ続く☆

第3章 山どうぐを選ぼう!〜自分に合った装備の選び方・ザック編〜
ザックの選び方
*鷲尾…普通はリュックサックとか呼んでいますが、登山の場合ザックと呼ぶことが多いです。
*齋藤…さっき靴で妥協したから、ザックは好きなのを選んで良いよね?
*鷲尾…あれ、愛着湧いたんじゃないんですか。ちょっとだけ、アドバイスさせて下さい。ザックの大きさには2つの基準があります。まずザックそのものの大きさ(容量・単位はℓで表される/どれくらいの荷物を入れたいかで決まる)、それから背負う部分の大きさ(背面長・単位はcmで表される/背負う人の身長や体格で決まる)、これが齋藤さんのザックを使う場面と体格で、ある程度絞り込まれています。
*齋藤…へー、そうなんだ!
*鷲尾…まずはだいたいの容量を選びましょう。要は何を入れるかで決まってくるのですが、登山のスタイルと期間の長さで決まります。日帰りのハイキング程度なら20ℓ前後で十分ですし、寝具が完備していて食事も出てくる山小屋であれば着替えなどの装備が増えてくるので30~40ℓ前後がおすすめ(写真18)、テント泊などで長期間山にこもるのであれば、寝袋(シュラフ)やテントや自炊のための食糧や食器なども入れなければいけないので60ℓ以上のものが必要になってきます。私は高校時代にはテント泊がメインだったので100ℓのザックを背負っていました(笑)。

*齋藤…じゃあ、日帰りで練習する時と、夏に泊まりでアルプスに行くのに2つのザックを買わなきゃいけないの?
*鷲尾…いえいえ、ザックに関してはある程度「大は小を兼ねる」が通用します。後で説明しますが、30ℓのザックに15ℓ分の荷物しか入ってなくても、スカスカでかっこわるくならない工夫がされています。齋藤さんの場合、当座の最終目標が夏の北アルプスの山小屋泊まりだから、30ℓ~40ℓくらいの容量で選んでみましょうかね。はい、これとこれとこれ…。
*齋藤…これは28ℓ、これは30+5ℓ、これは38ℓって書いてある。
*鷲尾…ザックの容量はメーカーによって基準も全然違うから、そこはおおまかで良いですよ。それより、この3つを背負い比べて見てほしいんです。登山用のザックは肩ベルト(ショルダーストラップ)だけでなく、腰ベルト(ウェストベルト)も使って身体に固定するんです。この肩ベルトから腰ベルトまでの長さ(=背面長)が、齋藤さんの背中の長さに合っているかが大事なんです。ザックの背面長が背中よりも短いと、このようにウェストベルトがおなかくらいまで上がってきてしまいます(写真19)。逆にザックの背面長が背中よりも長いと、このように肩ベルトが浮いて、すき間ができてしまいます(写真20)。ザック売り場には大きな鏡が置いてあるので、フィッティング(※注4)してみて、自分の身体に合った背面長を見つけましょう。


※注4…ザックは(1)ウェストベルト(2)ショルダーストラップ(3)ショルダースタビライザー(4)チェストベルトの順番でしめて身体にフィットさせます。(写真21)

*齋藤…2番目に背負ったのが、身体にぴったり合う感じ。
*鷲尾…じゃあ、このメーカーだとSサイズが齋藤さんに合った背面長ですね。あと、このモデルは女性用なので、よりフィットするのかも知れませんね。
*齋藤…ザックにも女性用があるの?
*鷲尾…はい、同じSでも男性用よりは背面長が短めに作ってあったり、あと肩ベルトが女性の体格に合わせて工夫してあるんですよ。
*齋藤…まさに、山ガール向けだね!
*鷲尾…そうですね。あと自分に合う背面長のザックの中から、背面やショルダーベルトのパッドの厚みによる背負い心地の差や、ポケットの数や場所などの使い勝手で、選んでください。
*齋藤…さっき「大は小を兼ねる」って言ってたけど、ほんとに日帰りでも30ℓのザックで大丈夫なの?
*鷲尾…はい、このコンプレッションベルト(ザックの厚み・高さを調整する紐)を調整することによって、荷物が少なくてもそれに合わせたザックの厚みにすることができるんです。あとさっきの使い勝手の面で、30前後ℓ以上のザックだと大抵のものに「雨蓋」と呼ばれるフタが付いてます。頻繁に使うものは、ここに入れておくと便利ですよね。あと、30ℓ前後のザックだとあるものとないものがあるんですが、「2気室」と言ってザックを上下で分割して、下からも物を取り出せるモデルもあります(写真22)。これは、50ℓとかもっと大きいザックだと必ず付いているんですが、30ℓ前後に入れるくらいの荷物の量なら絶対に2気室じゃないとダメってことはありません。

*齋藤…さっき「雨蓋」って言ってたけど、ザックは雨漏りしないってこと?
*鷲尾…いいえ、完全防水ではありません。なので、ザックカバーと言ってザックにカッパを着せてあげます。最近はザックカバー付のモデルが多いですが、付いてなくても別売で購入できます。
*齋藤…これはザックカバー付きだから大丈夫だね!
*鷲尾…ただし、ザックカバーも背面まではカバーしません。濡れたらホントに困るもの(お財布・携帯電話・着替えなど)は、衣類圧縮袋や料理用のジップ付ポリ袋とかに入れましょう。
*齋藤…はーい!じゃ、ザックはこれにしよっと。
☆第4章に続く☆
第2章 山どうぐを選ぼう!〜自分に合った装備の選び方・登山靴編〜
ここは新宿にある登山用品店「石井山専 新宿東口ビックロ店」。都内でも有数の売場面積を誇る、山どうぐの専門店です。
*齋藤…うわー、何か色々置いてある!!ていうか、この山スカート、めっちゃかわいい!
*鷲尾…えっと服は後にして、まずは靴売場に行きましょう。
*齋藤…いきなり靴ですか?
登山靴の選び方
*鷲尾…登山は「あるく」スポーツです。登山している間ずっと履いている靴は、いちばん重要ですよ。
(店員さんを呼んで)すみませーん、この女性の足を測ってもらえますか?齋藤さん、今履いてるスニーカーを脱いで下さい。
*齋藤…測らなくて大丈夫です!いつも22.5cmだから。
*鷲尾…普段は…ですよね。でもいったん裸足になって、この試し履き用の靴下を履いて下さい。
*齋藤…何?この毛糸の分厚い靴下?
*鷲尾…歩いている時の足の裏って、実はすごい汗をかくんです。1日歩くと、片足で缶コーヒー1本分くらいとも言われています。というわけで、登山の場合は夏でも吸水性の良いウールの靴下を履くんですよ。
*齋藤…へー、何かフカフカで気持ちいいかも。
*鷲尾…この足型測定器(写真12)に足乗せて下さい。店員さんは足の長さだけでなく、足の幅や甲の高さも測ってくれますから。極端な人だと、右足と左足で微妙にサイズが違うこともあります。

*齋藤…測ってもらった!両足とも23cmで、幅広&甲高の足だって言われました。
*鷲尾…(店員さんに)ありがとうございます!彼女は登山初心者なんですけど、とりあえず最初のうちは高尾周辺や奥武蔵あたりの低山で練習してもらって、でも夏には北アルプスあたりにチャレンジさせてあげたいんですよね。それをゴールに、見繕ってもらえませんか?
*齋藤…そこまで私の状況をばらさなくてもいいじゃないですか。
*鷲尾…ごめんなさいね。でも、初心者であるほど具体的に「どの季節に、どの山に登りたい」を店員さんにはっきり伝えておくことが、大事なんです。
*齋藤…どうして?
*鷲尾…さっき測ってもらった、齋藤さんの足型に合う靴ってのは最低条件なんですが、低山のハイキングしかしない人と、重い荷物を背負ってガレ場の多い道を縦走したり、雪のある山に登ったりする人だと、靴の種類(=対象となる登山レベル)も違ってくるんです。
*齋藤…何が違うの?
*鷲尾…色々ありますけど一番顕著なのは、靴底(および爪先)の固さと、足首周りのカットの高さですね。例えばさっき履いてきた齋藤さんのスニーカー、靴底を曲げてみると…ほら、こんなに曲がった。次に低山ハイキング向けのこの靴、靴底を曲げてみると…さっきよりは曲がらないですよね(写真13)。最後にアルプスなどの高山縦走向けのこの靴、靴底を曲げてみると…ほら、ほとんど曲がらない(写真14)。


*齋藤…力加減、変えてない?
*鷲尾…そんなインチキ、してませんってば。基本的にレベルが上がるほど、靴底は固くなります。重い荷物を背負っている時に足元が固くて不安定なガレ場を歩いている時に柔らかい靴底だったら、足に余計な負担がかかって辛いですよね。そのために固い靴底でショックを和らげたり、変形を防いだりしているのです。
あと足首まわりのカットを見て下さい。スニーカーだと、足首が靴に覆われてませんよね。それが低山ハイキング向け、高山縦走向けとなるに従って、だんだんカットが高くなってくる(写真15)。

それを靴紐でしっかり固定することで、不安定なガレ場や段差で足首を痛めるリスクを軽減しているんですよ。
あと、この靴底についている黄色いマーク(写真16)、他のメーカーの靴底にもついてますよね。

*齋藤…亀の甲羅みたい!
*鷲尾…はい、これ「ビブラム」というイタリアのメーカーのゴムの靴底なんです。摩擦係数が高いので滑りにくい、そういう素材なんです。
*齋藤…靴自体のメーカーは違っても、靴底は同じメーカーってことだね。
*鷲尾…まあ、絶対この靴底じゃないとダメということはないですけどね。さあ、店員さんがいくつか齋藤さんの足型と目標の山に合った靴をいくつか用意してきてくれましたよ。とりあえず、最初の一足を履いてみて下さい。
*齋藤…よいしょっと。
*鷲尾…OK!じゃあ、そこの坂道(大抵の登山用品店には、実際の山道を想定した坂道を再現した台(写真17)が置いてあります)を登って、下りてみて下さいな。

*齋藤…よいしょ、よいしょ。
*鷲尾…爪先とか踵とか、足首の前後とか、どこか靴と当たって痛いところはないですか?
*齋藤…今のところ大丈夫みたい。
*鷲尾…じゃあそれ履いたまま、ザックや服を選びに行きましょう。
*齋藤…履いたままでいいの?
*鷲尾…そうやって店内をうろうろしている間に3~40分はあっと言う間に過ぎてしまいます。その間に足に違和感や痛みを感じたり、そうでなくても複数の候補を履き替えたりして、本当に自分に合った靴を見つけて欲しいのです。そのため、靴売場を最初にご案内したんですよ。
(数十分後)
*齋藤…結局2番目に履いた茶色の靴が、いちばん私の足に合ってるみたい。でも、最初に履いたネイビーの靴が、色もデザインもいちばん気に入ってたんだけどな。
*鷲尾…(断腸の思いで…)じゃあ、2番目の靴にしましょう。靴は、見た目より自分にあっていて履きやすいかを最優先すべきアイテムです。色やデザインは、他のグッズでも楽しめますから。
*齋藤…はいはい、わかりましたよっと。でもこの靴、4万円もするの?
*鷲尾…確かに安くはないです。でもこの靴のタグみて下さい!「靴底張替=○」って書いてありますよね?結構長く使えますよ。
*齋藤…靴底って、張り替えるモノなの?
*鷲尾…はい、汚れをそのままにしておくのは論外ですが、使わないで大事に靴箱にしまっておいたとしても、皮(合成皮革や化学繊維の場合もある)で出来た靴本体とゴムで出来た靴底を接着剤で貼り合わせている以上、だいたい4~5年で経年劣化して靴底は剥がれてしまうんです。しかも、これは私の個人的な経験則なんですが、片足が剥がれるともう片方もほぼ同時に剥がれます。
*齋藤…あらら。登山中に剥がれたらどうするの?
*鷲尾…安全第一で考えるなら、テーピングとかで応急処置して、とりあえず下山した方が良いですね。それが嫌な人のために、最近は山小屋でも登山靴を売っているところも増えてきましたけどね。
*齋藤…もともと履いてた靴が安いものだったら、いさぎよく買い換えた方がいいのかもね。
*鷲尾…それなんです。1~2万円前後の靴って「靴底張替=×」の場合が多い。なぜなら張替の工賃が1~2万円するから、だったら新しい靴を買った方が良いという結論になる。逆に高い靴であればあるほど(自分の足に合っていれば尚更)長く使えるように「靴底張替=○」のケースが多いんです。
*齋藤…色もデザインもイマイチと思ったけど、何だか2番目の靴、ちょっと愛着湧いてきたかも。
*鷲尾…登山を始める段階で、自分の足に合う靴に出会えたのはラッキーですよ!外国製の登山靴だと、未だに西洋人の足型(幅が狭く甲も低く足首の可動域も狭い)に合わせて作られた靴も未だに多いので、自分に合うものがなかなか見つからない人も多いんです。大切に使って下さいね。
☆第3章へ続く☆
第1章 登山計画を立てよう!
いつ、どんな山に行く?
標高と標高差
*鷲尾…ひと口に山と言っても、高尾山と富士山では登れる時期も必要な装備や体力も、全然違います。それはわかりますよね?
*齋藤…高さが違うってこと…だよね?
*鷲尾…半分は正解です!標高1,000m前後のいわゆる「低山」と、標高2,000mを超える「高山」では、まず登山に適した時期が違います。低山(写真1)の場合、雪さえ積もっていなければ真冬でも楽しめますし、逆に真夏に登ると暑かったり虫が多かったり、かえって登山に不向きな場合もあります。高山の場合、平地ではいわゆる春や初夏と呼ばれる5~6月でも雪がたくさん残っていたり、紅葉時期の9月~10月以降は、また雪に閉ざされてしまうので、初心者が雪山登山の装備なしに登れる時期はかなり限られてきます。

*齋藤…じゃあ、夏なら「高山」に登った方が良いってこと?
*鷲尾…いや、そうとも言えないんです。森林限界という言葉を知っていますか?
*齋藤…シンリンゲンカイ?風林火山なら知ってるよ!
*鷲尾…それ、あなたの故郷の敵国の合言葉ですよね…。いわゆる、森とか林とかを構成している“人間の背丈よりもずっと高い木”は、冬の気象の厳しさとかもあって「ある一定以上の標高」より上では育つことができず、生えていないんです。その標高を森林限界(注2)と呼んでいます。
*注2…森林限界の標高は緯度によって異なります。概ね、北海道の山だと1,000m前後、日本アルプスなどの中部山岳地域だと2,500m前後が目安です。
*齋藤…高い木が生えてないってことは、見晴らしも良いってことだよね!?(写真2)

*鷲尾…晴れていれば…ですね。雨が降れば逃げ場がないため濡れるし、風が強ければ、直接影響を受けます。落雷に遭うリスクもある。ついでに言うと、高いところは寒い。
*齋藤…どれくらい寒いの?
*鷲尾…一般的に、標高が1,000m上がると気温は約6℃下がります。あと風速1mの風が吹いていると体感気温はそこからさらに1℃下がります。つまり静岡の海岸部(標高0m)が35℃の真夏日でも、富士山頂(3,776m)で風速5mの風が吹いていると、体感気温は7℃ちょっとしかない。ということになります。
*齋藤…うわー!冷蔵庫だ。確かに、涼しいというよりは寒いって感じだね。
*鷲尾…あと森林限界より上部に行くと、植物はハイマツという背丈の低い松や低木・草(いわゆる高山植物)が生えていますが、足元は岩がゴロゴロしているいわゆる「ガレ場」(写真3)になっている場合が多く、落石や転倒のリスクも高まります。

*齋藤…なるほど。じゃあやっぱり最初のうちは「低山」だけにしておこうかな。
*鷲尾…山そのものの「高さ」に加えて、もうひとつ気にしてほしいのが、あるくルートの「標高差」です。例えば奥多摩にある川苔山は標高1,363mですが登山口(鳩ノ巣駅)の標高が300mちょっとしかないので、標高差は1,000m以上もあるんです。逆に北アルプスの乗鞍岳は標高3,026mですが、登山口(畳平)の標高が2,700mあるので標高差は300mで済みます。
*齋藤…1,000mってことは、東京タワー3本分も登るんだ。無理かも…。
*鷲尾…そうですね。初心者のうちは、1日の標高差が5~600mくらいまでのコースを選ぶのが無難ですね。少し体力に自信がついてきたら標高差1,000m前後にチャレンジ、そこでも問題なければ標高差1,500m以上(写真4)に、とステップアップしていきましょう。

*齋藤…ちなみに標高差600m登るのに、どれくらい時間がかかるの?
*鷲尾…いい質問です!山の斜度やその人の体力によっても大きく変わるのですが、初心者が無理のないペースだと、だいたい1時間で300m前後の標高差を登り、1時間で400m前後の標高差を下れるペースが目安だと思います。このペースで600mの標高差を登って下ると、休憩なしでも3時間半くらいの時間がかかります。初心者のうちは、1日の歩行時間は長くても4時間以内に留めたいところです。その意味でも標高差が600mくらいまでのコースを選ぶのが無難というのは理に適っています。登山地図やガイドブックには、だいたいルートに所要時間(=コースタイム)が書いてあるので参考にして下さい。
コースの形状
*齋藤…それ以外にコース選びで注意することって、何かあるかな?
*鷲尾…コースを地図でなぞった時の“カタチ”ですかね。カタチには「往復コース(図5)」「周回コース(図6)」「縦走コース(図7)」の3種類があります。図にすると、こんな感じ。



往復コースなら、途中で体調が悪くなっても引き返すことができますよね。登ってきた道を下るので、登山道の様子もわかっていて割と安心です。
周回コースの場合、登りと下りの道が違うので景色に変化があって面白い反面、途中で何かトラブルがあって時に、引き返すか?残りを歩きった方が良いか?難しい判断を迫られることもあります。
縦走コース(写真8)になると、登山口と下山口が違うので交通手段も限られますし、荷物も原則すべて背負って歩く必要があります。

*齋藤…マイカーで縦走は、無理だね。
*鷲尾…そうですね。縦走の場合は、下山口の交通機関のダイヤを把握しておくだけでなく、万が一縦走を断念せざるを得ない時のエスケープルートも考慮に入れておく必要がありますね。
*齋藤…どこの山に行こうかな♪
*鷲尾…しつこいけど、もうひとつだけ注意があります。さっきの乗鞍岳のように登山口の標高が高い、つまり高いところまで乗り物で行ける「高山(注3)」は標高差・歩行時間が少ないので初心者にも人気があります。注意点としては、さっき説明したとおり、森林限界より上での行動になるので、風・雨・寒さへの対策やガレ場での怪我に備えて、しっかりとした装備・服装で出かけて下さいね。
*注3…乗り物で高いところまで行ける代表的な「高山」
・木曽駒ヶ岳(2,956m)…約2,612mの千畳敷カール(写真9)まで駒ケ岳ロープウェイでアプローチ可能
・立山・雄山(3,003m)…約2,430mの室堂(写真10)まで立山黒部アルペンルートでアプローチ可能
・乗鞍岳(3,026m)…約2,700mの畳平まで、乗鞍スカイラインでアプローチ可能(写真11)



*齋藤…わかった!じゃあとりあえず、東京の近くの標高差も歩行時間も少ない山で練習して、体力がついたらやっぱりアルプスに行きたいから槍ヶ岳とかに挑戦してみようかな♩
でも、山の道具や服って、高いんだよね。何を買ったら良いのかな。
*鷲尾…じゃあ、これから登山用品店に一緒に行ってみましょう!
☆第2章に続く☆
プロローグ

はじめに…
新緑や紅葉など季節によって装いを変える山肌、可憐な高山植物、絶えず移ろう空の諧調…雄大なスケールで展開する自然の景観が、そこにはあります。
渓流のせせらぎ、甘く香る花の匂い、頬を撫でる風…五感に愬える何かが、そこにはあります。
ヤマノボリは、自分の脚で歩いたからこそ味わうことのできる感動を与えてくれます。
けれども初めての人にとっては服装・装備や体力などの不安など、敷居が高いのも事実。
そんなあなたのために、登山初心者の基本的な疑問や心配を、登山ガイドがわかりやすく解説します!
登場人物
*登山ガイド・鷲尾
東京都(でも高尾山の近く)出身。
鍵っ子&TVっ子だったため、小学生時代から刑事ドラマやハードボイルド映画・時代劇に耽溺。
・Favorite SAMURAI:故郷のヒーロー・土方歳三
・Favorite Actor;舘ひろし
・Favorite GUN:ベレッタM92F
ここまではかなり危険な経歴だが、中学~高校と山岳部に所属し、青春を山で過ごして何とか更生。
公益社団法人・日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドステージⅠ

*山ガールになりたい女子・齋藤
新潟県出身の20代女性。
普段はジブリ映画やバーチャルYoutuber鑑賞や、読書や漫画をこよなく愛する典型的なインドア女子。
最近は休日のリフレッシュとして、 “山”へ行きたいなと考えている。

はじまりは憧れから…
*齋藤…最近、地元の友だちが山にはまっていて。毎週末インスタに上げてる写真がすごくキレイで、うらやましくて!私でも山登りってできるのかな?
*鷲尾…登山を好きな人が増えるのは、ガイドとしても一人の山好きとしても、とってもうれしいです。もしよければ、山登りのイロハから何でも(注1)教えますよ!
*齋藤…わー!ぜひお願いします!!
(注1)体力や経験の差などもあり、山の知識や技術は誰にでも通用するものではありません。これからお話することは、ひとりのガイドの個人的な経験に基づくもので、なおかつ登山初心者向けの基礎的な内容です。あくまでもヒントのひとつとして活用いただき、最後は自己責任での登山をお願いします。


そんな齋藤さんの山ガールへの道を、この連載と下記の姉妹編ブログでご覧ください!!
☆第1章へ続く☆